あなたの身近の「値段がつくと価値が下がるもの」とは?

あなたの身近の「値段がつくと価値が下がるもの」とは?

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元財務大臣が十代の娘に語りかけるかたちで、現代の世界と経済のあり方をみごとにひもとき、世界中に衝撃を与えているベストセラー『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ヤニス・バルファキス著、関美和訳)がついに日本に上陸した。
ブレイディみかこ氏が「近年、最も圧倒された本」と評し、佐藤優氏が「金融工学の真髄、格差問題の本質がこの本を読めばよくわかる」と絶賛、ガーディアン紙(「新たな発想の芽を与えてくれるばかりか、次々と思い込みを覆してくれる」)、フィナンシャル・タイムズ紙(「独自の語り口で、大胆かつ滑らかに資本主義の歴史を描き出した」)、タイムズ誌(「著者は勇気と誠実さを併せ持っている。これぞ政治的に最高の美徳だ」)等、驚きや感動の声が広がっているその内容とは? 一部を特別公開したい。

■心が満たされることの価値

 エギナ島に陽が落ちようとしている。夏の夕方だった。私は君とベランダに座って、海の向こうのペロポネソス山脈に赤い夕陽が沈んでゆくのを眺めていた。私が子どものころ、父がよく話していたように、私も君に、沈む夕日はなぜ赤いのかを科学的に説明しはじめた。せっかくの素敵なひと時が台無しだ。

 その晩、友人夫婦とその幼い息子のパリスを誘って、マラソナス・ビーチにあるお気に入りのレストランまでボートで向かった。

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