不動産バブル崩壊は本当か、マンション契約率悪化の背景を探る

不動産バブル崩壊は本当か、マンション契約率悪化の背景を探る

物件価格は上がっている一方、建築コスト低減のために設備や共用部分などの質の低下が見られる昨今の新築マンション。しかし、過去のような「市場崩壊」は起こりにくい状況だ Photo:PIXTA

不動産バブルがいよいよ崩壊か――昨年12月の首都圏の新築マンション契約率の大幅悪化を受けて、業界では悲観的な声が上がった。しかし、過去の不動産バブル崩壊時と現在とでは、かなり状況が異なる。(さくら事務所会長 長嶋 修)

■過去の不動産バブル崩壊時と現在の状況は大きく異なる

 今年1月、不動産市場に激震が走った。不動産経済研究所によれば、12月の首都圏新築マンション契約率が49.4%と、業界関係者の予想を大幅に下回ったためだ。契約率とは、その月に販売された住戸のうちどれだけ契約に至ったかを示すもので、70%が好不調を占うラインだ。これを受けていくつかの報道や識者のコラムなどでは「不動産バブル崩壊か?」といった論調がみられたが、実態はやや異なる。

 12月に契約率が大幅に悪化したのは、発売戸数を争う数社が、年内に前倒しして新規売り出しを大幅に増大させたため。結果として住友不動産の18年発売戸数が7377戸と、5年連続でトップの座に輝いた。翌1月の契約率は67.5%に回復している。

 そもそも新築マンションから不動産市場のバブル崩壊が起こることはない。1990年のバブル崩壊や2008年のリーマンショック時には、常に70〜80%の市場シェアを占めたジャスダックやマザーズ上場のマンションデベロッパーの販売が不調となり、投げ売りが始まりつつ資金繰りが悪化、多くのデベロッパーが破綻した。

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