人間を不幸にする「本能」への対抗手段は、『FACTFULNESS』が教えてくれる

人間を不幸にする「本能」への対抗手段は、『FACTFULNESS』が教えてくれる

田川欣哉(たがわ・きんや) Takram代表。プロダクト・サービスからブランドまで、テクノロジーとデザインの幅広い分野に精通する。主なプロジェクトに、トヨタ自動車「e-Palette Concept」のプレゼンテーション設計、日本政府の地域経済分析システム「RESAS」のプロトタイピング、Sansan「Eight」の立ち上げ、メルカリのデザインアドバイザリなどがある。グッドデザイン金賞、 iF Design Award、ニューヨーク近代美術館パーマネントコレクション、未踏ソフトウェア創造事業スーパークリエータ認定など受賞多数。東京大学工学部卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程修了。経済産業省「産業構造審議会 知的財産分科会」委員。経済産業省・特許庁の「デザイン経営」宣言の作成にコアメンバーとして関わった。2015年から2018年までロイヤル・カレッジ・オブ・アート客員教授を務め、2018年に同校から名誉フェローを授与された

この記事は、デザイン・イノベーション・ファームTakramのメンバーが毎週月曜日に配信しているPodCast「Takram Cast」の収録をもとに構成したものです。Takram代表・田川欣哉氏が、事業のパートナーである統計家・西内啓氏と、30万部を突破したベストセラー、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』共訳者・上杉周作氏を迎え、デザイナー、エンジニア、統計家それぞれの視点から語り合いました。

データと真実から見えてくる正しい世界とは何か。著者・ハンス・ロスリング氏の伝えたかった価値観とは。全3回の最終回です(前回はこちら)。(構成:プレーンテキスト)

■「統計」は人間が「本能」に対抗する有効な手立てである

田川:『FACTFULNESS』の章立ては、「分断本能」など、人間が進化する過程で獲得した「生き残り本能」を「ファクト」というものでいかに押さえ込んでいくかという構成になっていますよね。一般の人が陥りがちなポイントを「本能」という形で10個ピックアップして、その1章ごとにティップスも書かれているので、とてもわかりやすいです。各章の入口が、ハンスさん個人のエピソードからはじまる構成も読みやすく感じました。

上杉:『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』というタイトルは、「MINDFULNESS(マインドフルネス)」からとられています。

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