新卒一括採用の見直しだけでは年功序列の日本型雇用が変わらない理由

新卒一括採用の見直しだけでは年功序列の日本型雇用が変わらない理由

新卒一括採用が通年採用になると、どのような課題が新たに生じるのでしょうか? Photo:PIXTA

■「一括」「通年」の差より重要な“採用方式”

 経団連は22日、新卒学生の通年採用を拡大することで大学側と合意した。これは新卒学生の就職活動について、一括採用に偏った慣行の見直しである。現行の3月解禁などの画一的な就活スケジュールにかかわらず、卒業後も含めた多様な方式が普遍的になれば、外国人留学生や留学中の日本人学生などへのメリットは大きい。しかし、単に通年採用に変えれば、能力を重視した採用になり、年功序列の日本型雇用慣行が大きく変わるというのは、やや飛躍した論理である。

 これは「一括採用か、通年採用かの差」よりも、「人事部による採用か、部局別の専門分野ごとの採用か」の違いのほうが、はるかに重要なためである。現行の人事部が新卒者を一括採用し、定期的な人事ローテーションに合わせて各部局に新人を配置する方式を、採用時期を決めずに通年で行うことは困難である。他方で、部局別に独自に採用する方式は、元々、欠員や増員が生じるごとに通年ベースで行うのが一般的である。

 人事部による一括採用では、もっぱら配置転換を通じたOJT(業務上の訓練)の蓄積で、長期間に熟練を形成していく。できるだけ潜在的能力の高い人材を求めるため、偏差値の高い大学の卒業者が有利となる。また、平均的に離職リスクの高い女子学生は、たとえ能力が高くても一定比率にとどめることが必要と判断されやすい。

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