新卒一括採用の見直しだけでは年功序列の日本型雇用が変わらない理由



 これに対して各部局別の採用では、欧米の企業と同様に、各々の業務に必要なスキルや適性が主要な採用基準となる。単に「貴社で働きたい」のではなく、「貴社のこの具体的な仕事がしたい」という学生を求める面接では、付け焼刃の準備は役立たない。情報関連技術や、多文化に適応し語学に強い人材を確保したければ、出身大学や性別の差は重要ではなく、人事部採用でははねられる「尖った人材」も受け入れられやすい。学生も職種や働き場所を限定しない採用方式には不安を持っており、具体的な職種と結びついた部局別採用でミスマッチが防げれば、新卒者の離職率も低下する。

 もっとも、面接で自分がやりたい仕事を指定できる学生がどれほどいるのかという批判もあろう。しかし、それは人事部の一括採用で、入社後に配置先を一方的に決められる従来の方式とは鶏と卵の関係にある。仮に、部局別採用が定着すれば、学生側もそれに対応した専門的能力を、ある程度身につけてからの就活が有利となる。現行の就活時期の早期化は、企業側が学生に具体的な職業能力を求めていない人事部一括採用から生じている面も大きい。

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