携帯がつながりにくい建設現場の悩みを解消した「IoT分電盤」開発秘話

携帯がつながりにくい建設現場の悩みを解消した「IoT分電盤」開発秘話

西野高明(竹中工務店 技術研究所 建築環境部 電磁・振動環境グループ 研究主任) Photo by Tomomi Matsuno

工事現場は携帯電話がつながりにくい。こう聞くと、山の中やトンネルの現場を思い浮かべるかもしれないが、街中にあるビルの高層階や地下も例外ではない。

 地表に近い場所では電波が通じても、コンクリート製の床や壁が重なる場所では携帯の電波を受信しにくい。建物の外側は完成したように見えても、内部の工事は終わっていない。携帯会社がアンテナを設置して通信環境を整えるのは工事の最終段階なのだ。

 2015年に竹中工務店に中途入社した西野高明は、そこに目を付けた。西野は大学でロボットを研究し、新卒で電機メーカーに就職。電波や電磁の研究といったエレクトロニクス領域でキャリアを積んできた。

 海外メーカーが台頭し価格競争が激化する電機業界に見切りをつけた西野は、専門知識を生かせる新たな場を探した。そして建設業界に目を向けた。建設業界は深刻な人手不足に対処するため、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT化を急いでいたからだ。

 竹中工務店に転職して間もない16年のある日、西野は30階建ての高層ビルの建設現場で携帯がつながらないことに気付いた。

「この業界はIoTやICT(情報通信技術)化を急ぐが、そもそもエレクトロニクスの導入が進んでいない」。あらためて実感した。

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