「IKEAのキッチン」は、なぜリノベの現場で売れないのか?

「IKEAのキッチン」は、なぜリノベの現場で売れないのか?

島原万丈(しまはら・まんじょう)
株式会社LIFULL LIFULL HOME’S総研 所長
1989年株式会社リクルート入社。グループ内外のクライアントのマーケティングリサーチおよびマーケティング戦略策定に携わる。2005年よりリクルート住宅総研へ移り、ユーザー目線での住宅市場の調査研究と提言活動に従事。2013年3月リクルートを退社、同年7月株式会社LIFULL(旧株式会社ネクスト)でLIFULL HOME’S総研所長に就任し、2014年『STOCK & RENOVATION 2014』、2015年『Sensuous City [官能都市]』、2017年『寛容社会 多文化共生のための〈住〉ができること』、2018年『住宅幸福論Episode1 住まいの幸福を疑え』、2019年『住宅幸福論Episode2 幸福の国の住まい方』を発表。主な著書に『本当に住んで幸せな街 全国官能都市ランキング』(光文社新書)がある。

ちきりん
関西出身。バブル期に証券会社に就職。その後、米国での大学院留学、外資系企業勤務を経て2011年から文筆活動に専念。2005年開設の社会派ブログ「Chikirinの日記」は、日本有数のアクセスと読者数を誇る。シリーズ累計30万部のベストセラー『自分のアタマで考えよう』『マーケット感覚を身につけよう』『自分の時間を取り戻そう』(ダイヤモンド社)のほか、『「自分メディア」はこう作る!』(文藝春秋)など著書多数。

社会派ブロガーとして人気を博す、ちきりんさんの最新作『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』発刊を記念し、LIFULL HOME'S総研所長であり、一般社団法人リノベーション住宅推進協議会の設立発起人でもある島原万丈氏との対談が実現。現代の日本が「住」に抱える問題点が次々に浮かび上がっていく。

対談第2回では、住宅メーカーを取り巻く「構造のねじれ」が見えてきた。しかし、それは業者にだけ非があるわけではない。消費者が生み出した圧力でもあったようだ。(第1回はこちら。)

■BtoCのように見えて、完璧なるBtoBのビジネス

ちきりん 日本って中小企業をつぶしてはいけないという気持ちが強すぎて、そのコストを消費者や労働者に払わせるんですよね。「働き方改革」だって、大企業には厳しいルールを課すけど、小さな会社には猶予期間を設け、事実上ルールを守らなくていい、みたいにする。労働基準法を守らせたらつぶれる中小会社がいっぱいあるからでしょうけど、そのしわ寄せはそこで働く人が背負わされてる。

島原 大企業も挟持をもって品質を引き上げていく方向に旗を振りたいところもある。けれども足元のマーケットを見ると、これ以上価格を上げたら消費者がついてこないという現実もあります。

たとえば、中小地場でもレベルの高い工務店は、大手企業とも遜色ないかそれ以上の性能のものを建てられます。

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