「IKEAのキッチン」は、なぜリノベの現場で売れないのか?

ただ、ひどいところは本当にひどい。そのバラつきがある中で、大手ハウスメーカーとしては基準をある程度のところまで引き上げておきたい。つまり、技術力の低いところと価格競争をしたくない思いがある。

けれど、引き上げすぎると足元の商売にも影響が出てきてしまいます。そこで最も譲れない線として「市場が縮小しないこと」が挙がってくる。国も国交省としても国策のせいで不況になったりしたら政治家からの追求があるでしょうし、絶対に避けたいはずですから。

ちきりん たしかに建設業界は、最上部に位置する巨大企業と、前線の仕事を担う現場の会社の規模がほんとうに大きく違いますよね。樹脂製の二重窓を製造しているのはYKKのようなグローバル企業でも、サッシ窓を取り付ける全国の工務店は家族経営みたいな規模だったり。そんな彼らが扱えない商品ばかりにしてしまうと、市場自体が潰れてしまいかねないってことか。

島原 ええ、まさにそうです。YKKなどのメーカーからすれば、得意先は圧倒的に工務店ですから。

ちきりん その部分も今回のリノベで実感しました。建材メーカーや住宅設備メーカーは「施工が必要な商品」を作っているから、不動産会社、建設会社、リノベ会社、もしくはそれら商品専門の卸会社が「自分達のお客様」だという意識が強い。

このため「施工がラクになる製品」の開発には熱心ですが、消費者の意向を汲むことには疎い。

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