「IKEAのキッチン」は、なぜリノベの現場で売れないのか?

それよりも工場でいろんなものを混ぜ合わせて成型したところに、高度な技術を使ったプリントを入れるほうがコストは高いに決まっているんだけれども、大量生産できるなら安く上がります。

ちきりん なるほどー。同じモノを大量に売ることを前提としての商品開発なんですね。

島原 あとは、施工性の問題です。工業製品のフローリング材が開発される前、昔の板の間は無垢材だったんですが、無垢材は湿度などの影響で膨らんだり、反ったりするわけです。施工にはそれなりの知識と技術が必要です。自然木が呼吸して反ったり隙間が空いたりするのを「不良品だ」といってクレームをつける消費者もいて。

ちきりん 有機栽培の野菜を買って「虫がついてた」とクレームする消費者と同じですね。木は生き物なんだから仕方ない。自然物というのはそういうもの。

島原 無垢材は経年で色に深みが出たり、傷がついても味になるし、手入れをすれば長く保てるし、最後にはどうしても気になるならサンダーで削れば平らになる。そう思えるけれど、消費者の中には「色味が揃っていない」とか「木目がずれている」とか、そういうことを神経質に求めるユーザーもいる。そして、そういうユーザーの存在が現場を大量生産の新建材に走らせる。

ちきりん それはすごく大事な話ですね。日本は「お客様は神様です」意識がつよすぎて、ごく少数の過激なクレーマーに、メーカー側が必要以上に忖度する。

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