病気を過度に恐れる「病気不安症」への森田療法流解決法

病気を過度に恐れる「病気不安症」への森田療法流解決法

「私も病気ではないのか」。芸能人やスポーツ選手の病気が報じられる度、心配がよぎり、検査ばかりしてしまう人がいます(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「私も病気ではないのか」。芸能人やスポーツ選手の病気が報じられる度、心配がよぎります。中には、自分が深刻な病気と思い込み、「ドクターショッピング」をしてしまう人もいます。まさに「病は気から」「気で病む病」です。このような“とらわれ”から抜け出せずに、一時も心が休まらない病気不安症(心気症、ヒポコンドリー)からどうすれば立ち直ることができるか、実際の症例をもとに、「森田療法流対処法」による改善法を解説します。(談/東京慈恵会医科大学附属第三病院院長・精神医学講座教授・森田療法センター長 中村 敬、構成/慈恵大学広報推進室 高橋 誠)

■完全主義から、病気の心配にとらわれる60代男性の悩み

 今回は、大手メーカーの研究職として、緻密で几帳面(きちょうめん)な性格を生かし、着実な研究成果を挙げていた60代後半男性の事例をご紹介します。

 数年前に定年退職してからは、碁会所に通っていましたが、最近は中断しています。元来、内向的で神経質な性格。それに加え、子どものころに腎臓病で半年間自宅療養した経験もあって、元から健康不安を抱きやすい傾向がうかがわれます。

 長年の勤務の間は持ち前の完全欲、几帳面さが仕事によく発揮されていましたが、退職後、興味と関心のほとんどが自身の体に向かってしまい、体調にばかり注意を向けた結果、病気不安が高じてしまったようです。

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