貴景勝問題、「ギリギリまで頑張る」を美談と考える上司がダメな理由

貴景勝問題、「ギリギリまで頑張る」を美談と考える上司がダメな理由

目標を達成するために、顧客の要望に応えるために、徹夜をしてでも頑張る――これを「美談」とする風潮は害でしかない Photo:PIXTA

大相撲5月場所で新大関貴景勝が休場、再出場、再休場を繰り返した。極限まで頑張ったと評価する声もあるが、私には全くそうは思えない。玉砕することは、持続的成長のために百害あって一利なしだ。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

■「責任を全うすべく玉砕」は果たして美談なのか?

 大相撲5月場所は、前頭8枚目の朝乃山が初優勝し、来日中のトランプ米大統領から初めて米大統領杯を授与されて幕を閉じた。13日目栃ノ心・朝乃山の一番での誤審問題とともに、主役と目されていた新大関貴景勝が5日目から休場、8日目に再出場したものの翌9日目から再休場したことが話題になった。

 貴景勝は4日目の取組で右ひざを負傷、3週間の治療が必要と診断され3日休場(1日は不戦負)した後、驚異的な回復をして再出場したが、1番取っただけで、再び休場するに至ってしまった。

「最初の場所で負け越し、カド番に落ちることを回避したかった」と、勝負にこだわる思いがそうさせたという見方もある一方、美談と受け止める向きもある。「貴景勝は新大関としての責任を少しでも果たしたかったから、再出場したのだろう」「万全でなかろうとも、姿を見せてファンの期待に応えたかったに違いない」という意見だ。

 責任を果たし、期待に応え、プロとして勝負を全うしようとした美談であるとは、私には全く思えない。

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