阪神を覆う “二番手のコンプレックス”

阪神を覆う “二番手のコンプレックス”

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プロ野球のペナントレースは中盤戦に突入。セ・リーグは巨人と広島が首位を争うが、意外にも頑張っているのが、昨年最下位に沈んだ阪神タイガースだ。
 そんなとき、興味深い本がダイヤモンド社より刊行された。『虎とバット 阪神タイガースの社会人類学』である。アメリカの名門、イェール大学のウィリアム・W・ケリー教授が、阪神タイガースと大阪の絆について解読した「研究書」である。とはいえ非常にわかりやすい語り口で記されており、大変面白く読める。綿密なフィールドワークを重ねて書かれた作品のため、誤解や偏見もほとんどない。
 本書のテーマはズバリ、「なぜ阪神タイガースは、(それほど強くないのに)これほど愛されているのか?」である。ファン自身も自問自答したことがあるであろうこの難問に、外国人研究者はどのように立ち向かったのか? 本書の抜粋を3回に分けて紹介する。

■プロ野球の在り方を変えたV9ジャイアンツ

 1965年シーズンのプロ野球は、大阪勢対決となった日本シリーズが東京オリンピックに“食われた”わずか数ヵ月後に開幕し、そしてなんの偶然か、読売ジャイアンツの前人未踏の快進撃はこの年から始まった。ジャイアンツはこのシーズンを皮切りに、9年連続でセ・リーグと日本シリーズを制する。65年から73年までのいわゆるV9ジャイアンツは、永遠の“全国区”のチームとなり、プロ野球の在り方を根本から変えていった。

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