日本人への安楽死適用が難しい理由、Nスペ安楽死のジャーナリストが語る

日本人への安楽死適用が難しい理由、Nスペ安楽死のジャーナリストが語る

小島ミナさんの安楽死を取材したジャーナリストの宮下洋一氏は、「日本人に安楽死を適用するのはかなり難しい」と話す Photo by Atsuko Kusanagi

6月2日(日)に放送されたNHKスペシャル『彼女は安楽死を選んだ』はあまりにも衝撃的な内容だった。放送からかなりの時間が経過した今でも、安楽死を選んだ女性がまるで眠るように亡くなっていくシーンが脳裏に焼き付いて離れない。NHKが安楽死をテレビで報じるのは、約20年ぶりだったというが、大きな反響を呼んでいるようだ。NHKのスタッフとともに彼女に密着取材し、『安楽死を遂げた日本人』(小学館)を上梓した宮下洋一氏に話を聞いた。(ジャーナリスト 草薙厚子)

■深刻な病状の女性にどう接するべきか苦悩した

 6月上旬、スペイン在住のジャーナリスト宮下洋一氏から『安楽死を遂げた日本人』(小学館)の出版案内が届いた。宮下氏はNHKのスタッフとともに、彼女に密着して取材したという。

 安楽死は日本では認められていない。たとえ患者側が医師に「安楽死」を要求したとしても、実行した場合、刑法199条の「殺人罪」で死刑か無期、もしくは5年以上の懲役となる可能性がある。また、安楽死の協力者や仲介者も、刑法202条の「自殺関与及び同意殺人」に抵触するのだ。

 宮下氏が小島ミナさん(当時50歳)から連絡を受けたのは、2018年8月。直接会ったのは9月だったという。彼女は「多系統萎縮症」という難病にかかっていた。小脳などの変性によって徐々に身体機能が奪われていく病気で、ゆっくりと確実に進行し、やがて四肢が動かなくなり、言葉も話せなくなり、思考以外のすべての機能が奪われて寝たきりとなる。

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