安宅さんに聞く「人口減でも日本は成長できる。G7並みは無茶じゃない」

今や、応用段階に入っているiPS細胞には世界中からいくらでもお金を集められるので、もっとわけのわからない基礎的な研究にお金を蒔いていかなきゃいけない。
 オートファジー(細胞の自食作用)の仕組みを解明してノーベル賞をとられた大隅(良典)先生だって、25年ぐらい前に隣の研究室にいた友人によると、かなり不思議な研究をされていると近くの人には認識されていたらしいですけど、今は偉大な取り組みだったことがわかっています。生物学的にもとても重要なだけでなく、実は病理学的にも深い意味がある研究となったわけですから。

柴山 日本は基礎研究からどんどん応用研究に投資を寄せたがってますけど、むしろ応用研究への投資については、政府の仕事ではなくて民間に任せていいのかもしれないですね。

安宅 ですね。工学系の技術の核の作り込みは大切ですが、実世界での応用については橋渡しまででいいと思います。あとは、若い人にきちんと“武器”を与えてほしい。この国の特に初等・中等教育は、いまだに“マシン(機械)としての人”を作ろうとしていて、大いに問題だと思います。たとえば漢字の書き取りって、いまだに宿題も含め厖大な時間を投下してやっていますよね。でも、今やコンピュータが字は書いてくれますから、自分の名前と住所さえちゃんとかければ、不要な能力です。ほぼまずならないのに「閣僚」「閣僚」と書き続ける。

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