日頃からお付き合いのある顧問税理士、 顧問弁護士に「会社売却」を相談する際は要注意


 そのため、安易に純資産で売ってしまったり、なんとなく「あと2、3年は黒字が続くだろうから、純資産価格に過去2、3年の利益を足した金額で売れれば妥当でしょう」などと、市場価格とは大きくかけ離れた数字を持ち出してきたりすることも、しばしば見受けられます。

 昔から恩義のある「大先生」にそう言われると、なかなか反論できないのがつらいところです。

 その点、市場価格の一つの重要な目安となるマルチプルを知っていれば、不当な安売りをせずに済み、会社にとって不利益な結末を迎えることも避けられると思います。

■売り手企業の株式価値を示す「マルチプル」

 業種ごとに異なる指標(正確には類似する上場会社から導出される指標を使いますが、概算評価を行う場合には業種ごとの指標を使うことが一般的です)を使った株式価値の算定方法は、「類似会社比較法(マルチプル)」と呼ばれます。

 マルチプルとは倍率という意味で、それぞれの業種の特性に応じて指標について、目安となる倍率が決まっています。
 もとになる数字についても、前回の連載では営業利益と説明しましたが、最終利益にしたり、減価償却費が多額になったりする業種では営業利益ではなく「EBITDA(Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amortization):概算値としては(営業利益+減価償却費)を採用し、(営業利益+減価償却費)」を採用し、2つの数字の組み合わせをもとにして株式価値を算出します。

 M&Aに取り組むうえで、マルチプルを知っておくことはとても重要です。
 M&Aの助言をする側が知らないのは言語道断ですが、売り手となる中小企業も自己防衛のためには知っておくべきでしょう。
 なぜなら、先ほどのとおり、中小企業が必ずしもM&Aの専門業者に依頼するとは限らないからです。

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