交渉のプロは、自分の「怒り」をうまく利用する

交渉のプロは、自分の「怒り」をうまく利用する

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ビジネスの成否は「交渉力」にかかっている。アメリカの雑誌で「世界で最も恐れられる法律事務所」に4度も選ばれた法律事務所の東京オフィス代表であるライアン・ゴールドスティン米国弁護士に、『交渉の武器』(ダイヤモンド社)という書籍にまとめていただいた。本連載では、書籍から抜粋しながら、アップルvsサムスン訴訟を手がけるなど、世界的に注目を集めるビジネスの最前線で戦っているライアン弁護士の交渉の「奥義」を公開する。

■感情的になった者が交渉に負ける

 感情的になった者が交渉に負ける――。
 私は、これを真理だと考えている。これまで、数々のシビアなビジネス交渉の現場に居合わせてきたが、「相手を打ち負かそう」と攻撃的な姿勢をむき出しにする人物のように、感情に支配された人物はほぼ間違いなく不利な立場へ追いやられてきたからだ。

 これは当然のことで、むやみに攻撃的になれば、相手は態度を硬化させるだけだからだ。相手の譲歩を引き出すどころか、より手厳しい抵抗を受ける結果を招くのだ。それよりも、相手が置かれた状況をよく理解したうえで、上手に駆け引きを行いながら、交渉における「自分の目的」を実現する「冷静さ」こそが重要なのだ。

 ただし、一切の感情を表現してはならないというわけではない。
 むしろ、こう考えるべきだ。

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