京アニ放火事件で関心高まる「防火設備」、学ぶべき教訓は何か

京アニ放火事件で関心高まる「防火設備」、学ぶべき教訓は何か

ガソリンを撒かれるという事態はそうそう起きるものではないが、火災自体はどこででも起きる可能性がある。これを機にマンションや会社の防火態勢について、じっくり考えたい Photo:JIJI

34人が死亡、34人が重軽傷という大惨事になった京都アニメーション放火事件。3階建てのビルが丸ごと焼けるという事態に、驚いた人も多いはずだ。京アニの建物の状況がどうだったのかは今後の検証を待たねばならないが、この未曾有の大火災からオフィスビルやマンションが学ぶべき教訓を考えてみよう。(さくら事務所マンション管理コンサルタント 土屋輝之)

■ホテルニュージャパン火災を超える死者が出てしまった

 3階建てのビルが全焼した京アニ。34人もの死者を出すというのは、未曾有の大火事といっていい。過去、とりわけ規模が大きい火災が起きると、それを契機に消防法を見直す、という流れになってきた。例えば死者118人を出した1972年の大阪・千日デパート火災。1982年の東京・ホテルニュージャパン火災(死者33人)、さらに2001年の新宿・歌舞伎町ビル火災(同44人)などだ。

 死者100人を超える千日デパート火災は別格としても、今回の京アニは、ホテルニュージャパン火災を超える死者が出てしまった。

 もちろん、犯人がガソリンを撒いて火をつけるという暴挙に出たわけだから、通常の火災とは訳が違う。おそらく爆風が事務所内を駆け巡り、通常の火災以上に、中にいた人たちはパニックに陥ったはずだ。

 しかし、この特殊要因を考慮に入れても、鉄筋コンクリートの建物で各フロアがあれほどの勢いで全焼するというのは、かなり考えにくい。

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