「新国立競技場」建設案をお題として考える:問題の本質から「強制発想」するイノベーション発想のアプローチ

「新国立競技場」建設案をお題として考える:問題の本質から「強制発想」するイノベーション発想のアプローチ

図表1「新国立競技場にまつわる重層的トレードオフ」

ラグビーワールドカップが目前に迫り、新国立競技場の建設案を巡るすったもんだも、すっかり過去のことになりました。もちろん、問題を蒸し返すのが目的ではなく、あれほど迷走を極める課題について、どのようなフレームワークで代替案を発想しうるのか、思考の体操をするためのお題として、実際に隈研吾さんの案に決定される4日前に考えてみたのが今回のケースです。企業が従来の事業領域やメンバーで新たな商品・サービスを生み出すSHIFTを実現するには、イノベーション、インターナルマーケティング、エクスターナルマーケティングという3つのコンポーネントが必要ですが、そのうちSHIFTの起点となるイノベーション(I)発想を読者に体感してもらうことを狙いとするものです(論文集『SHIFT:イノベーションの作法』からの一部紹介です)。

■噴出している問題をすべて手のひらに載せてみる

 ビジネスの面白さと難しさは、答えが無限に存在するところにある。このため、社会にインパクトを与えるSHIFTを実現したければ、「正しい答え」を探そうとするのは間違いである。まず、人々の持つ複雑に絡み合った既成概念──私の言うところの“バイアス”の構造を自分なりに視覚化して、与えられた時間内に、そのバイアスを破壊する方向性を強制的に見出すのだ。そんなバイアス破壊を軸に、SHIFTの起点となるイノベーション(I)発想のセオリーには、次の三つのプロトコルがある。

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