「16人の首相に仕えた男」が語る、大物政治家たちと霞が関の力関係

「16人の首相に仕えた男」が語る、大物政治家たちと霞が関の力関係

田村氏は、意外にも橋本龍太郎元首相に、安倍首相の政権運営スタイルの原型をたびたび見るという Photo:Reuters/AFLO

「16人の首相に仕えた男」として知られる、自民党政務調査会の田村重信氏。田村氏の知る大物政治家の素顔とともに、昭和から平成、令和と移り変わる時代の中で、政治の世界はどう変わってきたのか、話を聞いた。(ジャーナリスト 横田由美子)

■かつて官僚と敵対した政治家は次々失脚した

 前稿(「16人の首相に仕えた男が語る、『安倍一強』が実現した理由」)で触れていない、もうひとつ欠くことのできない重要な要因があるという。それは、「人事の妙技」だと、田村重信は指摘する。

「メディアは、『お友達ばかりを要職に就けている』とか『周囲はイエスマンばかり』と批判するけれど、僕からみれば少し違う。安倍内閣では、麻生(太郎・財務大臣)さんにしろ、菅(義偉・官房長官)さんにしろ、長く同じポストに就いている人が少なくない。それは安倍さんが、時代が変わったことを熟知しているからです。大臣が官僚をコントロールし、尊敬を受けるには、1年や2年その職にいましたというのでは話になりません」

 日本が「官僚国家」と呼ばれていた時代、大臣は「お飾り」と呼んでもおかしくなかった。官僚が政策を考え、法案を通すために族議員と交渉し、国会対策まで行っていた。官僚は大臣の職務の全てを把握し、お膳立てしていたといってもいい。だからこそ、大臣は椅子に座っていれば、それでよかったし、官僚と対立した大臣は皆、首相への道から外れた。

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