自分の存在価値を 問い続ける【後編】

*前編はこちら

「複眼の仕組み」で選ぶ
画期的な後継指名 作田さんがオムロンで成し遂げた3つ目の仕事は、2011年の「後継指名」です。当時49歳の山田義仁さんに社長のバトンを託されましたが、その後継者選びのプロセスは画期的でした。
 2006年に、社外取締役を長とする「社長指名諮問委員会」(注3)を設置。5年にわたる選定プロセスを経て、山田さんが選ばれました。その後の経緯を見ると、この仕組みが非常にうまく機能したことがわかります。どのような思いで、こうした公明正大な仕組みをつくられたのですか。

注3)
社長ができるのは、候補者のリストアップのみ。決定は指名委員会にあり、社長に投票権はない。現職社長による恣意的な後継指名が起こらない仕組みになっている。


 公明正大な仕組みをつくろうとしたわけではなく、「できる限りベストの人を選びたい」という強い思いだけがありました。人選についてもダイバーシティを持って臨むべきだと考えていましたし、そのプロセスをシステム化してほしかったのです。
 というのも私が後継指名された時は、よい悪いは別にして、「何で私なのか」という納得感がなかったからです。当時、義雄社長のほかにも立石家の人たちは社内にいましたし、私よりももっと見識も実力のある先輩もいました。

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