“知の爆発”が起きた 古代ギリシャの哲学者、 ソクラテス、プラトン、アリストテレスが 私たちに教えてくれる「真の教養」とは?



世界は広くて複雑である、それなのに人間はついつい「何でも知っている」と過信しがちです。そのことがいかに愚かなことであるかは、繰り返される争乱や支配者のあやまちを見れば、明らかです。

哲学の歴史を振り返るとき、ソクラテスをどのように評価するかは、実はかなり難しい問題です。なぜなら、彼自身が書き記した文献が何も残っていないからです。

――では、ソクラテスの哲学や人物について、何を資料として今日まで語り継がれてきたのですか?

出口:プラトンをはじめとする彼の弟子や、同時代の劇作家や哲学者が残した文献です。特に、資料の中で圧倒的な量を占めるのは、ソクラテスの弟子の一人、プラトンの著作物です。

プラトンが叙述したソクラテスの発言は、真に迫るリアリティがあります。それだけに信じたくなります。けれども冷静に考えてみれば、それが事実のみを記しているのかどうかは不明です。
実際、ソクラテスが生活していたアテナイ(アテネの古名)には、ソクラテスに対して批判的な立場の人も存在しました。
ソクラテスが非常に優れた人物であったことは、確かです。しかしこれまでのように、常人とは隔絶した偉大な人物であったとイメージすることは、プラトンがつくったソクラテス像にいささか踊らされているのではないか、と僕はひそかに考えています。

ソクラテスについてもっと勉強したい人には、『哲学者の誕生 ソクラテスをめぐる人々』(納富信留著/ちくま新書)をお薦めします。

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