なぜ大企業では新規事業が進まないのか?取り組みを阻む「壁」の正体

なぜ大企業では新規事業が進まないのか?取り組みを阻む「壁」の正体

多くの大企業は新規事業に積極的だが、ベンチャー企業と比べて本気で取り組む姿勢が足りないと感じるのはなぜか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新規事業に熱心な大企業
取り組む姿勢に疑問も ベンチャー企業は、ゼロから事業を立ち上げることが多いので、新規事業に取り組むことは、人間が空気を吸うようなものである。そして、ベンチャー企業で働く人間は、毎日のように新しいビジネスの種を探し、商品・サービスをつくって売って試してみるのが日常となる。一方大企業では、経営資源が既存の事業に投入され、それなりの成果・結果を上げているため、新たに別の事業を立ち上げるのが結構大変だ。

 それにもかかわらず、私が知る大手企業の多くは、新規事業に何らかの形で取り組んでいる。そして大企業で働く方々は、新規事業に関する情報収集に余念がない。たとえば私は、自分自身がフィンテックを軸に新しい事業領域に関わることが多いためか、新規事業に取り組む大企業の方々から多くの相談を受ける。彼らが属する業界は、製造業、サービス業など多岐にわたる。

 また私は、昨年6月、ドイツ・ベルリンで開催されるテックイベントTOA(Tech Open Air)に参加したが、当地で出会った日本からの参加者の多くが、大手企業のエース級人材と思われる新規事業関係者だった。TOAは技術を基軸に、新しいビジネスやライフスタイルの提案が満載の極めて刺激的なイベントであるが、ベルリンという欧州大陸の真ん中にまで会社のエース級人材を送り込んでくるのだから、大企業の危機感は強いのだろう。

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