「攻殻機動隊」の押井守が語る「日本人は進んで未来を捨ててきた」

「攻殻機動隊」の押井守が語る「日本人は進んで未来を捨ててきた」

中学生からのSFファンで、「人間の内面や現実的なものには関心がない」と言う押井守監督。だが現実のビジネス界へのアドバイスはなかなかに辛辣で、正鵠を射ている Photo by Masato Kato

技術が日進月歩で進歩する現代は、SF作品が現実化しているようだ。この時代を先取りして見せたサイバーパンクSFの代表作に、アニメ映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(1995年公開)がある。元々は士郎正宗氏の漫画で、アニメ映画化によって世界のクリエイターとエンジニアに大きな影響をもたらした。今話題の中国SF『三体』を書いた劉慈欣氏も、自身が愛好するSF作品のひとつに「攻殻機動隊」を挙げている。SFの世界におけるひとつの発火点である押井氏に、SF的なインスピレーションの生み方を聞いた(このインタビューは、ダイヤモンド・オンラインの特集「ビジネスリーダーよ、SFを読め!」に連動しています)。(聞き手/ダイヤモンド編集部 杉本りうこ)

■重要なのはAIじゃない人間の能力の拡張だ

――「攻殻機動隊」が公開された当時の日本は、バブル崩壊後ではあったけれど、世界半導体ランキングには日本企業がずらりと並んで、しばらく後にはiモードも発表されて、テクノロジー大国のイメージをまだ保っていました。あの当時の日本の時代感と、「攻殻機動隊」は関係ありましたか。

 ありました。僕が考えていたのはまさにその時代感だったのです。冷戦も終わって、20世紀の総括の時期にあったんですよ。20世紀って何かっていうと、イデオロギーですよね。

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