エズラ・ヴォーゲル教授に聞く「米国民は自信を失い、祖国に失望している」

また、国家の盛衰を考える場合、まずは国内問題をしっかりと解決したうえで力強い外交を行っていく、というのがセオリーだと思うのですが、先生は米国内に内在する諸問題をどうご覧になっていますか。

ヴォーゲル教授 第二次世界大戦後、英国は植民地を失い、そのなかで国内外の事業も規模縮小を余儀なくされた。当時の英国も辛かっただろうが、それは仕方のないことだ。それと同じ道を、現在、米国も歩んでいる。

 第二次世界大戦後、私たちは世界を引っ張ってきた。今となってはその地位を失いつつある。今日の米国は、米国と世界各国の実質的状況を全面的に考慮したうえで、独りよがりではない新たなドリームを考え、訴えなければならない。

 今日の米国には貿易不均衡問題、移民問題など問題が山積みである。一人の社会学者として、これらの問題が、米国人がドリームを追求し、実現する過程で及ぼす影響は相当大きい、と認めざるを得ない。したがって、私たちには新しいドリームが、私たちの能力や身の丈に見合ったドリームが必要だ。

 そして、私から見て、これらのドリームとは、中国、日本など外国・国際社会との良好で健全な協力関係を築いたうえで、初めて成り立つものだ。健全で開かれた国際主義が、アメリカンドリームの再構築には求められているし、それが不可欠である。

 米国は主体的に、前向きに、世界におけるみずからの地位を下げる覚悟を持ち、示すべきだ。

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