エズラ・ヴォーゲル教授に聞く「米国民は自信を失い、祖国に失望している」

そして、戦争は過ちであり、間違った手段なのだということを認め、覚えておかなくてはならない。私たちが以前、イラクやシリアで行った戦争は間違いだったのだ。私たちにはその能力がなかった。そもそも戦争や武力行使という手段を使って他国、他地域を効率的かつ安定的に管理しようという発想自体に、無理と限界があったということである。ベトナム戦争の場合も同じである。

 米国による数々の失敗を経て、私は思うことがある。大統領が選挙によって選ばれる民主主義国家である米国において、軍事力ですべてを解決できると奢り、体制や民族の異なる他国や他地域の平和や繁栄を担保できるという「軍国主義」的発想が蔓延し、民衆がそれに扇動され、それを支持するようになる事態はとても危険である。戦争を二度と繰り返さないために、米国はみずからの政策を変える努力をしなければならない。

 実際は、現在に至るまで、私たちはみずからの能力に適した新しいドリームを見つけられていない。それを実現するための、適切で及第点に達するリーダーもいない。彼らは、選挙キャンペーン中には、米国はこうあるべきだと強調するけれども、それがアメリカンドリームの再構築につながっていない。

 ただこのような厳しい現状を前にしていたとしても、私たちは理想を放棄してはならない。アメリカンドリームという理想である。

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