エズラ・ヴォーゲル教授に聞く「米国民は自信を失い、祖国に失望している」



 私は最近、移民問題に注目している。なぜなら、移民によって建国され、発展してきた米国にとって、移民をどう扱い、活かすかという問題はアメリカンドリームの根幹に関わるからである。私が祖国の繁栄という観点から移民問題に関心を示し、再考するきっかけになったのはやはり英国でブレグジットが発生したことである。実際に英国だけではない、移民の受け入れに積極的だったドイツでさえ社会的反発が起きている。移民問題はもはや世界全体の問題、国境を超えて世界の平和と繁栄に関わる問題である。

 あまりに多くの移民を受け入れることはできない。米国も、世界各国にとってもそうだ。すべての国家は自国がどれだけの移民を受け入れられるのかを慎重に考慮し、決定すべきだ。私は多すぎてはいけないと思っている。欧州連合からの離脱を選択した英国、そしてドイツの人々は移民が多すぎると感じている。

 このような現状を正視するとき、今となっては、日本の移民政策は比較的適切で、身の丈に合ったものであったと評価できる。今後日本の高齢化現象はいっそう進行し、労働力不足に悩むだろうが、移民は一定の人数に制御すべきだ、というのが私の考えである。

 私の観察によれば、日本が労働力を持続的に確保していくうえで重視すべきは“高齢者の活用”である。日本でも長寿に伴い退職の時期が延びてきたが、毎年日本を訪れるたびに、タクシー運転手など70歳以上になっても頑張って働いている人々を目にする。

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