韓国・文大統領、「タマネギ男」の法相任命を余儀なくされた呪縛
2019年09月17日 06時00分 ダイヤモンドオンライン
■むいてもむいても不正疑惑が出てくる“タマネギ男”を法相に強硬任命
9日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、同氏の最側近であり後継者とみられる゙国(チョ・グク)・前民情首席秘書官を法相に強硬任命した。韓国国内でチョ氏は、むいてもむいても不正疑惑が出てくるため“タマネギ男”と揶揄(やゆ)されている。
今回、疑惑が噴出する人物を主要閣僚に任命することは異例だ。文氏にとってはかなり大きな賭けともいえるだろう。
もともと文氏は生粋の左派政治家だ。学生時代、同氏は“開発独裁”を進めた朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領に反対する民主化運動に身を投じた。弁護士になった後も市民運動や人権問題に深く携わった。このバックグラウンドを生かして、文氏は、朴槿恵(パク・クネ)前大統領を権力の座から追い落とし大統領に就任した。
文氏が重用してきたチョ氏は検察改革を進め、市民団体などからの期待を集めてきた。一方、現時点でチョ氏には数々の疑惑がある。チョ氏の妻は検察当局から起訴されている。ただ、今のところ、不正が事実と認定されたわけではない。その状況下、文氏は市民団体の支持をバックに、チョ氏の任命を強行することを選択した。
チョ氏の法相任命についての世論調査を見ると、反対がやや過半を上回っているものの、見方が真っ二つに割れているという状況だ。