英雄や夢物語でなく、誰もが失敗を冒し迷っているから共感できる!ビジネスパーソンにお薦めのオペラについて、ドニゼッティ音楽祭芸術監督に聞く



 それから大好きなのは、ガエターノ・ドニゼッティの『ランメルモールのルチア』です。若者たちが、死に至るほどまでに、どれほど勇敢かつ情熱的であることができるのかを、非常にうまく物語っています。それに加えて、ドニゼッティは私の故郷ベルガモの出身ですから、私はこの作曲家に対して同胞愛のような親しみを感じているのです。

 さらに私を熱狂させるのは、アメリカの音楽家レナード・バーンスタインの『キャンディード』で、私にとって彼は、20世紀の最も偉大なオペラ作曲家です。世界の人類についての膨大で悲劇的な作品で、すべてが皮肉の流れのうえに語られています。

Q.クラシック入門者であるビジネスパーソンに向けてお薦めのオペラを挙げていただくとすれば、何でしょうか。

 疑問の余地なく熱意をもってお薦めするのは、ジャコモ・プッチーニの『ラ・ボエーム』の素晴らしい世界に身を投じることです。1896年に生まれた作品で、なんと私の祖母と同い年です!

 このことが私たちに教えてくれるのは、たとえ遠い19世紀の作品であろうと、当時すでに、20世紀が視野に入っていたということです。20世紀は映画の時代であり、映画はサウンド・トラックの存在ゆえに、常にこのイタリア人作曲家の興趣からインスピレーションを得てきた芸術形態です。

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