貧困高校生を顧みない、大学入試新テストと英語民間試験の「非情」

貧困高校生を顧みない、大学入試新テストと英語民間試験の「非情」

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■共通IDの申し込みが開始わざわざ招いた「黒船」か

 今、2020年度から実施される「大学入学共通テスト」(新テスト)と英語民間試験の活用が、幅広い層の関心を集めている。この制度による入試が本格的に実施されるのは、2021年1〜3月の入試シーズンだが、2019年11月1日から14日までが、「共通ID」の申し込み期間となっているからだ。

 現在の高校2年生は、再来年となる2021年の入試シーズンのために、とりあえず共通IDを取得しておく必要がある。「大学入試英語成績提供システムを利用する選抜を実施する大学」(大学入試センターの説明資料による)、すなわち英語民間試験の成績を使用した入試を行う大学や学部を受験するのなら、この共通IDが必須だからだ。しかし、高校2年の10月に、それを決められるものだろうか?

 問題は、他にも山積している。まず、経済的な負担が大きい。英語民間試験は7種類あり、受験年度になってから2回まで受験できる。しかし、最も受験料が高額なTOEFLを2回受験すれば、それだけで5万円以上の負担となる。また、7種類の選択肢がすべて、各受験生の選べるものになるとは限らない。

 英語民間試験の導入が望まれる背景には、「英語のスピーキング能力に関する試験が必要」という意見がある。しかし、口から音声を発することが難しい受験生も、コミュニケーション上の障害を抱えた受験生もいる。想定される多くの課題に対して、充分な検討がされているとは思えない状況で、新テストは見切り発車しようとしている。

「子どもの貧困対策センター 公益財団法人あすのば」の代表理事として、家庭の低所得だけではなく多様なハンデを背負った子どもたちとの関わりが多い小河光治さんは、次のように嘆く。

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