日本企業のイノベーションの源泉はどこにあるのか

日本企業のイノベーションの源泉はどこにあるのか

Photo:123RF

度重なる増刷が続く入山章栄氏の最新刊『世界標準の経営理論』。 800ページを超える本書の読み方は読者に委ねられる。もちろん初めから読み進めても良いが、著者が推奨するのは、読者自信が興味のある箇所から読み進めていくスタイルである。約30の経営理論を網羅する本書は、どこから読んでもよいように作られている。いわば辞書のような利用こそが、本書を最大活用する方法だ。



前回に続き、本書から「知の探索・知の深化の理論」を抜粋する。イノベーションという言葉が使われて久しいが、その本質を理解しているビジネスパーソンはどれくらいいるだろうか。日本企業の多くが陥っている状況もまたこの理論で解き明かすことができる。状況を打破し、次の成長につなげる道標ともいえる理論が「知の探索・知の深化の理論」である。



■「知の探索と深化」を両立する「両利き」は戦略、組織、人材、経営者のすべてにおいて求められる

 前回まで、認知心理学をベースにした、「知の探索・知の深化の理論」を解説した。企業イノベーションの創出メカニズムを、鋭利に切り取る核心の理論である。前章で述べたように、その根幹にあるのは、知の探索と深化のバランスだ。人・組織は認知に限界があるので、知の探索(exploration)をして認知の範囲に出て、知と知を新しく組み合わせる必要がある(=シュンペーターの新結合)。

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