生活保護ケースワーク「外部丸投げ」で始まる、福祉現場の崩壊

生活保護ケースワーク「外部丸投げ」で始まる、福祉現場の崩壊

外部への「業務丸投げ」は、社会福祉の現場を危うくしかねない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

■「福祉事務所の民営化」が現実になるかもしれない不安

 生活保護ケースワーカー業務は、自治体職員が、自治体の設置した福祉事務所で行う原則となっている。人間の生死を左右する職務であり、最もデリケートな個人情報を預かる業務であるからだ。しかし、2019年後半から急激に、外部委託の可能性が現実味を帯びてきた。

「外部委託」という選択肢の提案は、2006年、全国知事会と全国市長会が設置した検討会が行った。検討会で重要な役割を果たしたメンバーの叙述によると、目標の1つは、政府から見た地方自治体を「陳情団」から「シンクタンク」へと脱皮させることであった。

 とはいえ、この提案には、生活保護費という「コスト」を圧縮することに関する具体的な方策が、「手段を選ばず」という感じで列挙されていた。日本国憲法、生活保護、そして地方自治の原則と相反する内容も多く、生活保護を深く知る人々からは、「荒唐無稽すぎる」「実現しないだろう」と考えられていた。

 しかし2013年以後、提言の内容は次々と現実化されてきている。まだ現実化していない残り少数のうち1つが、福祉事務所の外部委託である。

 地方自治体の行政職員たちは、官僚と同様に行政のプロフェッショナルであり、地方の実情と住民の実像を深く知っている。福祉事務所の外部委託については、どのような思いを抱いているのだろうか。今年度、厚労省が開催した「生活保護担当指導職員ブロック会議」で取りまとめられた地方自治体の声から、読み取ってみたい。

 厚労省からの質問は、「ケースワーク業務の一部を外部委託することや、非常勤職員が行うことについて、どのように考えますか」「(外部委託や非常勤職員が行うことに賛成の場合)どの業務について委託や非常勤職員の対応が可能と考えますか」の2段階となっている。

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