ハーバード大学では「シャープは安売りし過ぎだった」が通説

ハーバード大学では「シャープは安売りし過ぎだった」が通説

Photo: Adobe Stock

『HOW FINANCE WORKS ハーバード・ビジネス・スクール ファイナンス講座』は、ハーバード大学のオンラインのファイナンス講座(Leading with Finance)をベースにテキスト化された教科書です。ファイナンスの教科書といえば、堅苦しいイメージですが、本書は少しイメージが違います。アマゾン、ネットフリックス、スターバックス、アップル、ナイキ…誰でも知っている企業の最新の財務データを使って、経済ニュース、金融ニュースなどをからめながら基礎的なファイナンスの知識を身に着けていきます。そのエッセンスをコンパクトに紹介します。

■シャープは堺工場を建設すべきだったか?

日本のシャープを見てみよう。同社はテレビなどの電子製品を企画製造する。鴻海精密工業(フォックスコン・テクノロジー・グループとしても知られる)は、世界最大の電子機器受託製造会社だ。

ここでのケースの土台となるのは、シャープの堺液晶ディスプレイ工場だ。シャープは平面パネル・ディスプレイを最初に商用生産した会社で、さらに大型のディスプレイ(65インチテレビを考えていた)を今後製造するかどうかの決定を迫られていた。液晶ディスプレイは、かつてはごく小さく、大画面ディスプレイを作れば規模の経済によって競争力を得られるのではないかとシャープは考えた。だが、これは製造プロセスに大きな課題を抱えることになる。

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