中国発パンデミック・リセッションの現実味、日本の景気後退も不可避か

中国発パンデミック・リセッションの現実味、日本の景気後退も不可避か

株価にとって真の脅威は感染症の大流行自体よりもバブル崩壊型金融危機だ。写真は上海証券取引所 Photo: AP/AFLO

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染拡大がまだ止まらない。すでに感染者は中国全域に広がり、2月5日時点で9省・自治区と32都市で公共交通網の停止や何らかの移動制限が実施され、消費、生産の両面で中国の経済活動を停滞させている。

 世界保健機関(WHO)は現状では新型コロナウイルス感染症の中国国外での広がりが限定的であることから、本稿執筆時点では「パンデミック(世界的な感染症の大流行)」ではないと語っている。

 しかし状況は依然不確実で流動的であり、仮に世界的な規模での感染爆発にならずとも、中国の経済活動の停滞で日本をはじめ世界経済へのマイナスの影響は不可避だ。現時点では想定に基づく大ざっぱな推測しかできないが、今回は日本経済などへの影響度を考えてみよう。

 結論を先取りすれば、先進国では日本、ドイツ、韓国をはじめ、中国と経済の相互依存関係の深いアジア諸国を中心に景気後退局面への移行はほぼ不可避に思える。主要企業のこれに関連した収益見通しの下方修正もこれから続出するはずだ。その一方、個人消費を中心とする内需主導の米国経済が受けるマイナスの影響度は相対的に少ないと考えられる。

■20世紀最大のパンデミックを振り返る

 今回の経済・金融への影響については、2002年〜2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome)感染時の状況がよく引き合いに出され、世界経済への打撃は限定的で株価も2003年から上昇したというようなことが当初話題になった。

 しかし当時と現在では中国経済の規模、とりわけグローバル・サプライチェーンにおける中国の占める規模、また国境を越えて移動する中国人の数が桁違いに大きくなっているので、あまり参考にならない。むしろ20世紀最大のパンデミックだった「スペイン風邪」を振り返ってみよう。

続きはダイヤモンド・オンラインで
(会員登録が必要な場合があります)

1

関連記事(外部サイト)