「ここにいてもいい」という所属感を得るために真に必要なこととは?

200万部突破のベストセラー『嫌われる勇気』。アドラー心理学の入門書である本書が、これほど多くの人に受け入れられた要因の一つに、「哲人」と「青年」の対話の魅力があげられよう。アドラーに精通する哲人と、全読者の代表とも言える悩める青年の対話は、そのまま共著者である岸見一郎氏(哲人)と古賀史健氏(青年)の関係に当てはまる。両氏はいま、200万部突破を記念して全国書店でトークイベント・ツアーを敢行中だが、それはまさにリアル哲人とリアル青年のセッションと言える。
そこで改めて哲人と青年の対話を楽しみつつ、アドラー心理学の衝撃的な教えをじっくり考えて頂くため、『嫌われる勇気』の重要箇所を抜粋して特別公開する。今回は前回登場したアドラー心理学のキー概念「共同体感覚」をめぐり、さらに白熱する哲人と青年の激論をお送りする。

■より大きな共同体の声を聴け

青年 ううむ、よくわからなくなってきました。ちょっと整理させてください。まず、対人関係の入口には「課題の分離」があり、ゴールには「共同体感覚」がある。そして共同体感覚とは、「他者を仲間だと見なし、そこに自分の居場所があると感じられること」である、と。ここまではわかりやすいし、納得できる話です。
 でも、まだ細部は納得できません。たとえば、その「共同体」なるものが宇宙全体に広がり、過去や未来、生物から無生物まで含む、というのはどういう意味ですか?

哲人 アドラーのいう「共同体」の概念を言葉のままに受け取って、実際の宇宙や無生物をイメージすると、理解をむずかしくしてしまいます。

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