野村監督「ID野球」の真髄とは?元野球少年が見た現役時代の凄み

野村監督「ID野球」の真髄とは?元野球少年が見た現役時代の凄み

プロ野球の常識を変えた「ID野球」の真髄は、実は野村克也氏の現役時代に培われたものだ Photo:JIJI

■野球少年の胸を躍らせた野村選手の圧倒的な底力

 元プロ野球選手・監督の野村克也さんが、お亡くなりになりました。私の世代にとってはとても思い出深い方でした。

 確か、私が小学校に入学した年だったと思います。「お父さん、ホームランを一番打つのは王貞治選手だって本当?」と父に尋ねたところ、「違うよ。日本一のホームランバッターは南海の野村選手なんだぞ」と教えてくれました。1960年代の話ですが、当時は男の子は誰もがプロ野球が大好きでした。

 名古屋出身の私も友達も、当然のように中日ファンで、みな当時のスラッガーだった木俣達彦選手の大ファンでした。ところが東京から転校してきた友だちが、「バカだな。木俣よりも王の方がずっとたくさんホームランを打つんだ」と、巨人のことを自慢してきたのです。

 新聞で調べたらその通りだったので、がっかりしたその日の夜、父から「王選手は一番ではない」と聞いて、ちょっと嬉しくなりました。それが、野球少年の私が野村克也選手に興味を持ったきっかけでした。

 私の頭の中では、今でも野村克也さんというと野村選手であり、思い浮かべるのは眼鏡をかけていない現役時代のお顔。そう、あえて野村選手と呼ばせていただきますが、彼こそは当時の記録で王も長嶋茂雄も敵わない圧倒的な日本一のスラッガーでした。

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