専業主婦がいまだに日本の社会構造の「前提」になっている不合理

専業主婦がいまだに日本の社会構造の「前提」になっている不合理

Photo:PIXTA

あなたの仕事に効くビジネス書の書評を集めた「仕事の本棚」。ビジネスリーダーが読むべき一冊を厳選してお届けします。今回は『なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造』(中野円佳著)です。(評者・皆本 類=情報工場エディター)

■「専業主婦前提社会」とは?

 最近にわかに話題になる「すべての女性が輝く社会づくり」。このスローガンを聞くと私はついイラっとしてしまうのだが、本書を読んでその理由が分かった気がする。それは、今の社会が「主婦の無償労働の上に成り立っている」にもかかわらず、その現実を直視していない言葉だと気付かされたからだ。

 本書『なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造』(PHP研究所)は、「専業主婦前提社会」の問題点を炙り出している。著者は、シンガポール在住で、日本と行き来しながら2児を育てる女性ジャーナリストだ。

 専業主婦前提社会とは、家事・育児などに関する無償労働を主婦に負担させて成り立っている社会構造のこと。夫が「働き手」となり長時間の通勤や労働に耐え、身を粉にして働く。激務の夫を家庭で癒し、将来の労働力となる子どもの面倒を一手に引き受けるのが主婦の役目、というものだ。

 だが、共働き世帯数が専業主婦世帯数を超えて20年近く経っている。

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