「えこひいき上司」が不公平な人事評価を自覚しにくい心理的理由

「えこひいき上司」が不公平な人事評価を自覚しにくい心理的理由

写真はイメージです Photo:PIXTA

えこひいきする上司に苦しめられたという人は少なくない。「だから自分はそんなことはしたくない」と言っていた人が、いつの間にか「えこひいき上司」になっていることがある。なぜそんなことになってしまうのか。そこには上司自身にもわからない無意識の心理過程が働いている。それを自覚することが、人事評価のえこひいきをなくすための第一歩となる。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

■実力に差のない2人の人事評価に大きな差が…

ある職場で管理職についている人たちと話すと、人事評価を公正にすべく、本当に苦労していて、誰もが人事評価の難しさ、そして自分たちの真剣な取り組みについて口にする。えこひいきの話題を出すと、多くの人が自分も若い頃にえこひいきする上司に嫌な思いをさせられたから、自分はそんなことはしたくないと言う。

 一方、部下の人たちを対象に、無記名のアンケート調査を実施したところ、納得のいかない上司の評価に不満をもつ者が結構いた。自由記述欄に目を通すと、「自分より成果を出しているとは思えない人物の方が、評価が良いことに納得できない」とか、「自分より明らかに仕事ができない人物の方が評価が上なのはおかしい」などといった記述が見られる。

 部下から見れば、この職場の上司にはえこひいきする人物がいることになる。だが、管理職の人たちの口ぶりからすると、本人たちにはえこひいきしているといった自覚はなく、むしろ正当な評価をしようと苦心している。けっして嘘をついている感じはしない。

 そこで注目したいのが、「記憶の気分一致効果」という無意識の心理過程である。

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