本は、果実だ。
2021年01月01日 06時00分 ダイヤモンドオンライン
読者の皆様、明けましておめでとうございます。ダイヤモンド社・書籍編集局の今野と申します。『東大卒、農家の右腕になる。』という本の舞台である栃木県は宇都宮「阿部梨園」を、『読みたいことを、書けばいい。』という本の著者である田中泰延さんが訪れた記録をお届けします。本は、「作って終わり」ではありませんでした。読んでくださる人のおかげで、作った人の思いで、別の物語につながることがあります。2021年の初めに、本を愛するすべての人へ、この記事を贈ります。(構成:編集部/今野良介)
2020年、秋。
僕は宇都宮へ向かった。
『東大卒、農家の右腕になる。』という本を読んで、どうしても会いたい人ができたのだ。
会いたい人は、著者の佐川友彦、そしてその佐川を「右腕」にした梨農家の阿部英生である。
この栃木紀行と寄稿は、写真日記みたいなもので、もしこれがダイヤモンドオンラインに掲載されていたら、それはたまたまの結果である。
佐川の本の紹介でも、阿部梨園の宣伝でも、便乗して自分の本の宣伝をしたいわけでもない。まったく自分からのお願いだったことをまず記しておきたい。ただ、会いたかったのだ。
会わせてくれるのは、ダイヤモンド社の今野良介である。彼は2019年に上梓した僕の本『読みたいことを、書けばいい。