自ら作った家を背負い、日本中を泊まり歩いた美術家がいた!

自ら作った家を背負い、日本中を泊まり歩いた美術家がいた!

村上慧さん。どんな質問にもひとつひとつ言葉を探しながら、真剣に話してくれました。最初は気難しい人なのかな……と思ったのですが、ときどき漏らす笑い声に親しみが湧きました。撮影/近藤陽介

 美術家の村上慧さんは'14年4月から、発泡スチロールで家をつくり、その家を背負って各地に移動するという活動をしています。『家をせおって歩いた』(夕書房)は、その1年間の記録です。本書を読むと、村上さんが奇人でも変わり者でもなく、切実な理由でこの活動を続けていることがわかります。この人に会ってみたい!が実現しました。

 “家と歩く”活動を始める前の村上さんは香川県に住み、アルバイトで生計を立てていました。決められたことをこなすことでお金を得るという閉じられた生活から脱出しようと、“移住を生活する”ことを決意したのです。

「普段は意識していない自分の生活に名前をつけて、実践してみようと思ったんです。動きの中に身を置くことで、生活を俯瞰(ふかん)してみたかった」

 村上さんは大学で建築を学んでいましたが、住宅設計で必要とされる「空間をどうつくるか」よりも、住むことや寝ること自体について興味を持っていたそうです。課題で、四方を壁に囲まれた物置みたいな家を設計したときには、先生から「これに住みたい人はいない」と言われました。

 また、2011年3月の東日本大震災のときに津波で家が流された映像は、村上さんの脳裏に強烈に刻み込まれたそうです。

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