なぜ白鵬は “横綱相撲” から、批判されても “勝ちにいく相撲” へと変わったのか

「やっぱり、白鵬は強い」。7月23日に千秋楽を迎えた名古屋場所で、王者は底力を改めて見せつけた。千代の富士の通算1045勝、魁皇の1047勝という史上2位、1位記録を次々と抜き去り、自身の持つ最多優勝記録を更新する39回目の優勝を達成。

 通算勝ち星の記録も、1050勝にまで伸ばした。一時期の不調を脱し、再び、抜きんでた土俵の王者として君臨しようとしている。

 しかし、相撲ファンや関係者の間からは、その強さを称賛する一方で、相撲内容への不満も少なからず聞こえてくる。特によく指摘されるのが「荒々しさ」への批判だ。手のひらで相手の顔面を強烈に張る「張り手」や、ヒジのあたりを相手の顔面にぶつける「激しいカチ上げ」でひるませる。こうした取り口が、荒々しいと非難されているのだ。

 あらかじめ断っておくと、どちらの行為もルールに反したことではない。相撲では、「握りこぶしで殴る」「髪の毛を引っ張る」「両耳を同時に張る」「目やみぞおちを突く」「胸や腹を蹴る」「1指または2指を折り返す」などの行為は「禁じ手」とされ、反則負けの対象となる。

 しかし、白鵬の行為はそのどれにも違反していない。それでも非難の声が上がるのは、この荒々しい技が、相撲の本質的な魅力を損なうものだからだ。

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