黒澤映画やビートルズも登場 同潤会アパートを舞台にした昭和の家族物語

黒澤映画やビートルズも登場 同潤会アパートを舞台にした昭和の家族物語

三上延 撮影/吉岡竜紀

テレビドラマ化もされたベストセラー『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズで知られる三上延さんの新作の舞台となるのは、かつて実在した『同潤会代官山アパートメント』という集合住宅。ここに住む竹井光生・八重夫妻からはじまる4代にわたる家族の物語を描いた連作短編集だ。

「最初の『月の砂漠を』は、掲載誌(『yom yom』)で『ふたりぐらし』というテーマの競作企画があって、そのために書いた短編です。昭和の人たちの暮らしを書きたいと思って、八王子にあるUR都市機構の集合住宅歴史展示棟を見学に行きました。ここで同潤会代官山アパートを見てイメージが湧いたんです」

 同潤会アパートは、1923年に発生した関東大震災の復興支援として、鉄筋コンクリートで造られた集合住宅だ。東京の青山や江戸川など、16か所に建設された。

「同潤会アパートは電気や水道、水洗式便所など当時最新の設備を備えた、近代的な集合住宅の先駆けでした。私自身が2歳まで団地に住んでいたこともあり、同潤会アパートにどこかノスタルジーめいた親しみを感じていたんです」

 代官山アパートは1922年に竣工し、'96年に解体されたが、物語はその間の10年ごとを描いている。

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