古川雄輝、“キラキラ”していない恋愛作品への挑戦「どう表現していけるのか楽しみ」

古川雄輝、“キラキラ”していない恋愛作品への挑戦「どう表現していけるのか楽しみ」

古川雄輝 撮影/森田晃博

「僕は普段からそんなに小説を読むほうではないんですが、原作を読んで、村上春樹さんの小説の魅力に引き込まれました。読む側に解釈が委ねられている部分がたくさんあって、いろいろな考え方ができるんです。ストーリーはシンプルなんだけど、実はいろいろな比喩が込められていて“ここはこういう意味なんじゃないか”と読む側に考えさせる。読んでいて、そこが非常に面白いなと感じました。そういった村上さんの原作の世界観が、舞台にも出てくるんじゃないかな」

 アメリカに滞在中の村上春樹さんが阪神・淡路大震災のニュースをテレビで見て、そのニュースに触れた人たちの心に何が起きたのかを想像して描いた短編集、それが『神の子どもたちはみな踊る』。この短編集より『蜂蜜パイ』と『かえるくん、東京を救う』の2編が、この舞台の原作だ。

 古川雄輝さんが演じるのは『蜂蜜パイ』の主人公・淳平。大学時代から深く愛している小夜子に、思いを伝えられない男。そのやさしい佇まい、思慮深い繊細さがイメージにピタリと重なる。

「淳平にはとても共感できます。自分の思いをちゃんと伝えることができないというのは、僕にもある部分なので。それは女性に対して、に限ったことじゃなくて、自分をちゃんと表現すべきところでできない、前に出せないことがよくあるんです。そういう人って、世の中にけっこういるんじゃないかな。

 彼の親友の高槻は、積極的に人に話しかけにいったり、淳平のできないことを普通にできる。淳平がずっと好意を抱いていた小夜子に告白するのも高槻。結婚するのも高槻。こういうふうに立ち回れる人はいいな、とうらやましく思いますね」

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