災害は「おもい」を大きく変える

災害は「おもい」を大きく変える

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『14歳からの哲学─考えるための教科書』は、哲学をやさしく説いた池田晶子の著作のなかで、もっともよく読まれたものの一つです。「自分/自己」とのつながりについて書かれた本作を、批評家、東京工業大学教授の若松英輔(わかまつ・えいすけ)さんは「100分de災害を考える」4冊のうちの1冊に選びました。




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この本の最初で、池田が注目するのは「おもう」という営みのちからです。それは思考力ではありません。それは思考のさらに奥にあるものです。「どうだろう、生きているということは素晴らしいと思っているだろうか。それとも、つまらないと思っているだろうか」と問いかけたあと、彼女は次のように言葉を続けています。


生きていることが素晴らしかったりつまらなかったりするのは、自分がそれを素晴らしいと思ったり、つまらないと思ったりしているからなんだ。だって、自分がそう思うのでなければ、いったい他の誰が、自分の代わりにそう思うことができるのだろうか。


客観的な世界が存在しますが、私たちはそれを生きてはいません。そういうと奇妙な感じがするかもしれませんが、現実です。人は誰も、その人の「おもい」がとらえた世界を生きています。

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