国レベルで問題視されていた日本の商業モラル 原因は封建制度

国レベルで問題視されていた日本の商業モラル 原因は封建制度

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渋沢栄一は、明治35年(1902)、62歳で妻と欧米を巡る旅をしました。まずアメリカに渡り、その若々しい発展ぶりに圧倒され、これからはアメリカの時代だという認識を深めます。その後、イギリスを訪問するのですが、ここで渋沢にとって大変ショックな出来事が起きます。イギリスの商業会議所の会員に、「日本の商売人は約束を守らない。あなたの力で改善してもらえないか」と直接苦情を言われたのです。当時の日本人が商業道徳に欠ける振る舞いをしていた原因の一つに、渋沢は江戸時代の封建制度の影響を見たといいます。作家で中国古典研究家の守屋 淳(もりや・あつし)さんが解説します。




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「どうも日本人は、他人に対しての約束をはなはだ守らない。いわゆる信用が堅固ではない。たとえば景気がよくて売れそうだと思うと注文品を早く引き取るが、これに反して売れそうもないと注文品をなかなか引き取らない。日常の取引であるから、いちいち契約書を作るわけにもいかない。あらかじめ手紙のうえ、あるいは電報の引合いによって送ってやる。品物を自分に都合がよいと引き取るが、都合の悪いときはぐずぐずいって引き取らない。これはほとんど日本人の習慣といってよい。私ばかりではない、どこの商人もみな困っている。そもそも日本人は信用というものを重んじていない。

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