「ひたむきさ」が運命を変える

『赤毛のアン』では、アンのひたむきな姿勢が周囲の人を動かすエピソードがたびたび登場します。その一つを、脳科学者・作家・ブロードキャスターの茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)さんが紹介します。




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グリン・ゲイブルスで暮らすことになった翌年の2月、アンはダイアナの誕生日に招待されます。アヴォンリー討論クラブのコンサートを楽しんだあと、ダイアナの家に泊めてもらうという計画です。アンは、ダイアナとふたりで客用寝室に泊まることをとても楽しみにしています。大人と同じように扱ってもらえることを誇らしく思ったからです。



アンが参加しようとしているアヴォンリー討論クラブのコンサートは、図書館援助のために10セントの入場料をとる盛大なものでした。聖歌隊の歌や詩の暗誦もあれば、牧師さんの演説もある、地域ぐるみのイベントなのです。出演するアヴォンリーの若者たちは何週間も練習を重ねて本番に備えていますし、低学年の生徒たちは兄や姉の出演を楽しみにしています。



コンサートなどくだらないと考えるマリラと、アンの希望をかなえたいと考えるマシュウの間でひと悶着あるのですが、この時はマリラが折れて、アンははじめてのコンサート鑑賞に出かけることができます。

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