スピノザの考える「神」とは

スピノザの思想は「汎神論」であると知られています。哲学者で東京工業大学教授の國分功一郎(こくぶん・こういちろう)さんに、汎神論とはいかなるものか、わかりやすく教えていただきました。




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教科書などではしばしば、『エチカ』に見られるスピノザの思想は「汎神論」と解説されています(ちなみに、哲学ではよくあることですが、これは本人によるネーミングではありません)。「汎神論」とは、森羅万象あらゆるものが神であるという考え方です。日本では「八百万(やおよろず)の神」のような、多神教的な自然崇拝のイメージが馴染み深いと思いますが、スピノザの「汎神論」では神はただ一つです。



もしかしたら「神」という言葉が出てきただけで、関心をすこしばかり失ってしまった人もいるかもしれません。すこしだけ我慢してお付き合いください。というのも、スピノザの考える神は、世間一般でイメージされているそれとは大きく異なるものだからです。すこしずつ見ていきましょう。



スピノザの哲学の出発点にあるのは「神は無限である」という考え方です。無限とはどういうことでしょうか。無限であるとは限界がないということです。

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