『風と共に去りぬ』に見るキャラクターづくりの秘密

小説『風と共に去りぬ』の主要登場人物の1人、レット・バトラーを、萌え要素満載の「ドS男子」と評する翻訳家の鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ)さん。どこか既視感のあるキャラクターは、作者のマーガレット・ミッチェルが意図的に既存のキャラクターたちを“再活用”した結果生まれたものでした。鴻巣さんは、このキャラクターづくりの手法が、この作品をベストセラーに導いた大きな要因の一つだと考えています。




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レットのからかいや挑発、仕草などを見ていると、まさに現代のアニメや漫画がコマ割りで見えてくるようです。実際、俳人で文芸評論家の千野帽子(ぼうし)さんは『風と共に去りぬ』の楽しみ方指南として、「レット・バトラーをアニメキャラとして消費せよ」という記事を書いています。その中で千野さんは、「愛を語りながら金の算段か。女の本性ってやつだな」というレットの決めゼリフを、いろいろなアニメのキャラクターに言わせてみようと提案しています。たとえば、『機動戦士ガンダム』のシャア、『ルパン三世』の石川五ェ門、『ドラえもん』のスネ夫、などなど。



わたしはこれを読んだとき、とてもおもしろく思うと同時に、やっと『風と共に去りぬ』が、作者の意図したところに戻ったような気がして、深い感慨に打たれました。

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