小林覚九段と高尾紳路九段、ぎりぎりの競り合い




\r\n■白模様から黒模様へ\r\n




黒5のとき、小林がはやばやと考慮時間を使った。「どんな碁を打ってみようかな、と考えておられる」と羽根九段。楽しんでいる時間だと言う。その構想は、上辺で黒を三線に追いやって厚みを築き、白20まで左辺一帯を広げようというものだった。



黒21は高尾らしい早めの仕掛け。羽根九段は「自分なら、定石の途中になっている右上の黒Aも気になるところ」と言う。



白28で1図の白1のハネは、白9まで形はしっかりするが、ハザマを残す。実戦は「止めることを重視した手」(羽根九段)だ。



黒33も早めの打ち込みで「白28が薄い手ではないですか?」と高尾は下側に寄せた。そして、左辺は捨てて黒45から47と連打。「左辺の黒が逃げれば白地が減ると考えがちですが、白地が増えても黒地も増えればかまわないという発想です」と羽根九段が解説する。





小林は白54と手厚く取り切り、黒55まで黒模様が出現した。



白56と右下の白一子から動き出して下辺との連絡も見たが、黒61から分断にいき、盤上は険しくなってきた。白66では2図の白1が強い態度だが、白9以降は難解。実戦は黒69で白が分断された。



※終局までの棋譜と観戦記はテキストに掲載しています。

※肩書・年齢はテキスト掲載当時のものです。



■『NHK囲碁講座』2019年2月号より

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