山下敬吾九段、棋聖戦七番勝負での封じ手を語る

山下敬吾九段、棋聖戦七番勝負での封じ手を語る

撮影:小松士郎

山下敬吾九段、棋聖戦七番勝負での封じ手を語る

山下敬吾九段、棋聖戦七番勝負での封じ手を語るの画像

小学生だった山下少年の、対局に敗れ涙を流す映像が忘れられないという囲碁ファンが多いのではないでしょうか。「まあ、泣かなくはなりました」と笑う山下敬吾(やました・けいご)九段。11月号の「シリーズ一手を語る」は、数々の名局の中、最も印象深い一手のお話です。




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\r\n■子どものころからの夢の舞台\r\n


今回は、初めての二日制――棋聖戦の七番勝負の中から一手を選ばせていただきました。三大タイトルの七番勝負というのは、子どものころからの一番の目標であり夢でしたので、その舞台に初めて立てたこのシリーズのことはとても記憶に残っています。その中でも特に印象深い一手です。



当時は、王立誠さんが3連覇中でした。立誠さんとはそれまで割と勝たせていただいているし…というひそかな自信も持ちつつ(笑)、挑戦者に決まったときは楽しみが大きかったのですけれど、やはり、まだ何も分からない状況ですので、対局が近づくにつれ、だんだん不安も募っていきましたね。



シリーズが始まり、1局目、2局目と勝たせていただきました。ただ、内容としては決して褒められたものではありませんでした。



悪い碁を最後のほうで逆転。そして3局目は、チャンスというチャンスがなく、ほぼ完敗といった内容でした。



ですから、2勝1敗とリードはしていたのですが、自信どころか、むしろ追い詰められているような気持ちでした。

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