趙 治勲名誉名人が語る碁界の夫婦あれこれ

趙 治勲名誉名人が語る碁界の夫婦あれこれ

イラスト・石井里果

『NHK 囲碁講座』の連載『趙治勲名誉名人のちょっといい碁の話』。12月号では囲碁界のさまざまな夫婦のあり方について、ご自身の体験談も交えながら楽しく考察します。




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今回は夫婦について考えてみました。安心してください。堅苦しい内容にはなりませんから(笑)。



夫婦という言葉を聞くと、内弟子時代を思い出します。木谷實先生と美春お母様はぼくの中で長い間、理想と信じていた(?)夫婦像でした。



木谷先生が「おーい!」と呼ぶと、お母様はどこにいても「はーい!」と答える。こういうことが日に何度もありました。出かけるときの荷物は全部お母様が持つ。現代では信じられない光景ですが、ぼくはずっと夫婦とはそういうものだと思い込んでいました。そういう時代だったんでしょうね。世の中がそれからずいぶん変わり、ぼくは結婚しました。そして当たり前のように「おーい!」と妻を呼ぶと、返事をしてもらえませんでした。荷物を持たせようとすると叱られました(笑)。



林海峰(名誉天元)先生ご夫妻も強烈な印象があります。40年くらい前になるでしょうか。「夕飯を食べに来なさい」と招かれたことがあります。もうね、驚きの連続でした。奥様の手料理がまさに次から次へと! もちろん、まずかったらここでお話しすることはできません。とにかくうまい、うますぎるくらいに! 林先生がああいう体型になった理由、それが痛いほどよく分かりました(笑)。

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